「事業経営者の役割は何か?」
と問われたら、何と答えますか?
もちろん、個人事業主の延長で商売をやられている人であれば、
経営者自身で実作業を行ない、外部の協業者と連携してビジネスを回している、
従業員を雇用していれば、現場監督的な役割も担っているでしょう。
しかし、組織として事業経営をしている経営者であれば、
現場のマネジメントは、経営者の本来の役割ではありません。
それは、せいぜい部長レベルの仕事です。
経営者の役割は、大きく3つあります。
1) ビジョンの策定: 事業の方向付け
2) 事業システムの設計: 事業全体の仕組みのデザイン
3) リソース配分の最適化: (社内)投資の意思決定
よくビジネスの現場で、やみくもに
「○○に問題がある!」「××が問題です!」
と叫んでいる人がいます。
そんなときに、「それがなぜ問題なんですか?」などと聞いてみると、
「だって、問題じゃないですか?」と質問に質問で返答が返ってくることがあります。
問題とは、現状と理想(望んでいる姿・あるべき状態)との差・ギャップだと考えれば、
その理想な状態が分かってなければ、問題など存在せず、
その理想の姿を描けていなければ、問題をどの方向に解決すべきかも分かりません。
これは、ビジネスの現場の個々の問題に限らず、
事業・企業全体のレベルでも同じです。
将来の目指すべき姿、あるべき状況を「ビジョン」と言い換えると、
「ビジョン」と「現状」との差・ギャップを埋める活動が、
事業成長を生み出します。
目指すべき状況と現在の状況との間に差異があれば、
そこには、ストレスが生じます。
ちょうど1本のゴムを両端から引っ張ったような、
緊張状態です。