その会社が事業経営のグリップをしっかり握っているかどうかは、
数値で事業活動の状況を語っているかで分かります。
「○○に問題が発生しています」 ← どのくらい問題なのか?
「○○は順調です」 ← どのように順調なのか?
「○○が改善しています」 ← どれだけ改善したのか?
これらの報告・議論を数字なしで行っている会社は、いづれ事業経営が立ち行かなくなるでしょう。
ところが、私の知る会社の中にも、年次決算時以外は、会社全体の売上高と経費しか数値管理していないという会社がありました。
一人でやっている会社ではなく、20名ほどの従業員がいる会社です。
その話を聞いて、思わず
「それざっくりし過ぎでしょう。。それでよくこれまで舵取りできましたね〜。」
と突っ込みを入れたら、その経営者は苦笑していました。
数値管理する対象は、売上、費用、営業利益といった財務指標だけでなく、
オペレーションがしっかり回っているかも数値で捉える必要があります。
そして、経営チームの各メンバーが、担当している業務に関連するオペレーション指標の
オーナーシップを持つことが重要です。
営業担当が売上という数値にコミットするように、生産、購買、経理、在庫などの業務責任者にも、関連するオペレーション指標に対するオーナーシップを持たせます。
(各指標には、必ず1名がオーナーとなるようにします。複数の業務に関連するから、数名が1つの指標のオーナーになるのは駄目です)
「現状の延長で考えると、縮小均衡が働く」
ある経営者と話をしたとき、正直言って、
この人は、社長なのか社員なのか分からないと思いました。
経営幹部も含めて、社員というのは、担当する部門・業務で、
問題が起こらないような道を選択するの常です。
できるか分からない仕事を作って苦労し失敗するリスクを冒すより、
できそうな仕事に限定して、着実な成果を挙げようというのは、
自然な考えでしょう。