先日お話をうかがった経営者の方が開口一番、
「正直、ビジョンとか考えてないです。目の前のことを回すので精一杯で・・」
口調と表情から、全く考えてないというのではなく、ただビジョンを自ら語ることに少し自信がないというか、何となく照れ臭ささを感じられているのではと受け止めました。
ただそうも言ってられません。組織として事業を行う限り、ビジョンを示すことは必須事項です。これこそが、トップである経営者が果たすべき最も重要な役割の1つです。
皆が同じ方角を向いて仕事をしている組織は勝ちます。
事業組織のすべての活動が、1つの方向性へと力が合わさっている状態。
この状態を導くためには、明確なビジョンを描き、それを組織全体に示すことが必要です。
そして、これこそ組織のトップたる経営者が持つ最重要「機能」の1つなのです。
では、ビジョンを示せばあとはうまく組織が動き出すかというと、もちろんそうではありません。どれだけ明確にビジョンあるいは戦略的方向性を打ち出したとしても、それがそれぞれの部門や課などの現場の活動レベルまで浸透して実行されていかなければ、組織全体の目標を達成することは出来ません。